スイートリトルライズ。不倫、というものにレビュー。
最近、
本を読みます。
ずっと昔は
どんな本も読むのが好きで読んでいたんですが
いつしか日々に追われて
遠ざかっていましたねー。
そして最近
わりと時間が作れるようになって
というか
旦那さんが本を読むようになったので
つられて、笑
実写映画化!君の膵臓をたべたいを読みました。 - *フクロウと出納帳*
のんびり気味にハマってます。
とりあえず、
最近、江國香織さんの本ばかり
続けて読んでます。
最初、神様のボート。
Birthday文庫になっていた短編集、泳ぐのに安全でも適切でもありません。
BIRTHDAY BUNKOを読みました! - *フクロウと出納帳*
泳ぐのに、安全でも適切でもありません。 - *フクロウと出納帳*
そして今回、
甘く小さなウソ、ですね。
江國香織さんの文章は
ほんとにきれいで見習いたい!笑
小難しい言葉を並べる小難しい本より、
さらさらと流れるキレイな日本語で好きです。
では
レビュー、です。
物語の内容は
Theダブル不倫、です。笑
ただ、狂って溺れてドロドロになるわけじゃないんです。
夫婦お互いがお互い、形はいびつでも大切なのです。
だけど、
外に愛してしまう人がいるんです。
わたしは
不倫ってものを肯定も否定もしないたちです。
不倫と聞くと汚らわしい!とか、不貞行為だ!と世間からはバッシングされがちですが。
ベッキーちゃんとか、ね。苦笑
でも、
わたしの周りにも
実際、不倫って行為は溢れかえってて
自分の世界とは違う場所で起きている非日常のように見えるのですが
じつは多分、気付かず日常に紛れているようなもの、なんだと思っています。
そして、その不倫という行為が
遊びであったり
本気であったり
気の間違いであったり
色ボケであったり
スリルであったり
その本質って結局本人達にしかわからないところだし、もしかしたら本人すら見えていなかったりするのかなと思うんです。
だから
単純に肯定も否定もできないものだと思ってるんです。
このスイートリトルライズの中で描かれる不倫。
わたしは、これ、どちらかと言うと肯定派。
そんなこと言うと怒られちゃうかな。笑
本の中で、妻の瑠璃子が夫の聡に伝えるのです。
大切なのは、日々を一緒に生きるっていうことだと思うの。一緒に眠って一緒に起きて、どこかにでかけてもまた同じ場所に帰るっていうこと。大切なのはそのことだと思うの。
わたし、これ、すごくわかります。
ここのシーンでは実際、瑠璃子はもう不倫が始まってしまっていて
聡にはいずれ不倫の関係になる女の人との逢瀬をしています。
でも、多分、外に不倫相手がいるから、そう言ったのじゃないんです。
夫婦なんだから、そんなの当たり前なんだけど、
けど、もともとは当たり前じゃなかったんですもんね。
愛し合って、確かめあって、そして何千時間、何万時間と時間をかけて
その当たり前を作ってきたんですもんね。
そして、不倫相手に瑠璃子はこう言っているのです。
私はあなたに絶対に嘘はつけない。知ってるでしょう?あなたも私に嘘をついてくれないもの。そしてね、なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。 あなたが美也子さん(不倫相手の彼女)に嘘をつくように。私が聡に嘘をつくように。
つまりは結局、瑠璃子は聡を守りたいんですね。
じゃあ何で不倫なんかするんだって話なんですが、笑
それはさっき書いたように遊びや本気やいろんな本質を持っていて
この夫婦も不倫に意味を持っているんです。
そして、瑠璃子と聡のあいだに何度も表現される文があって
抱きしめるといわずに
腕に入れるというのです。
これがなんだかとても、堪えました。笑
不倫相手は抱きしめるのに、
夫婦では腕に入れるのです。
こういう言葉遊びというか、言葉選びが、
江國香織さんはほんとにお上手です。
本日もお付き合いいただき