*フクロウと出納帳*

しあわせのためのお金の話

愛着をもって、残しておきたいもの。

我が家には三徳包丁が2本あります。

 

包丁は2本だけ。

(いろいろあっても使いこなせない。)

 

1本は、今のこの家に引越してきたときに新調したもの。

もう1本は、約10年ほど前に買ったものです。

 

約10年前といえば

今の旦那さんと同棲し始めた頃でした。

 

結婚してもうすぐ7年、

付き合っていた期間は3年半ほどあったのです。

付き合って半年で同棲生活をしていたので

いまのようなふたり暮らしがほぼ10年目になるのです。

 

その頃、いまとなって思い出してみればとっても若かったし

お金も全然なかった頃でした。

 

お金の使い方も、貯め方も下手くそで

家事も手際よくやれなくて

いろんなことが要領が悪かったなぁと思い出せます。

 

その、同棲を始めたときに買った包丁。

 

新しく生活を始めようとすると

イチからすべて買い揃えなくちゃいけなくって

お金が本当にない中で

当時のわたしなりに一生懸命選んで買った包丁でした。

 

カツカツの予算の中で

できるだけイイものを。

できるだけ気に入ったものを。

 

そう選んだのが、ヘンケルスの三徳包丁だったんです。

買った当時3,000円くらい。

いま見ても、だいたい同じくらいのお値段ですね。

 

 

実際、新しく買った

同じくヘンケルスの包丁が抜群に切れるので

普段はこちらばかり使ってしまっていますが。笑

 

 

それでも我が家のキッチンには

いまでも10年前の包丁があるのです。

 

包丁研ぎというものをしていなくて

切れ味も悪くなってしまっているし

食洗機に入れて洗ってるもんだから

若干錆びてるところもあったり。苦笑

 

捨ててしまって

新しい包丁を買えばいいんだけど

 

なんとなく

捨ててしまうのは寂しいのです。

 

 

ものには

愛着というものが湧くことがあります。

 

そのものに

思い出や記憶や感情が残っているからだと思うのです。

 

いまでは錆びて、トマトなんかだと全然切れないヘンケルスの包丁。

 

10年前、包丁を選んで買ったとき。

 

大好きな旦那さんとこれからずっといっしょにいられる嬉しさや

毎日食べていくために慣れないなりに作り続けてきたごはん。

冬にはアパートのせまいキッチンでふたりで並んで鍋に入れる野菜を切って

ふたりしておなかパンパンに膨らませてごろごろする。

 

そんな大切でいとしい思い出。

 

 

年をとって

お金だって随分上手に扱えるようになったし

料理の手際だって良くなってレパートリーも増えて

10年経って変わったこともたくさんある。

 

あの頃の3,000円と、いまの3,000円。

 

その3,000円の価値もきっと変わってしまっているかもしれないけれど

あの頃の、10年前の自分に

いい買い物したね、と言ってあげたい。

 

一生懸命選んだ包丁は

いまでもたくさんの思い出を抱えて

使われていますよ、と。

 

そして、10年間もしあわせなごはんを作り続けてこれましたよ、と。

 

 

そんなことを思ったのです。

 

 

だから。

 

 

 

包丁研ぎ、買おう。笑

また、トマトがサクッと切れるようになるように。笑

 

 

本日もお付き合いいただき

ありがとうございました。